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日英同盟復活


日英同盟が100年ぶりに復活? 防衛新戦略、戦闘機開発…


日本と英国が連携強化に躍起だ。先月、イタリアを交えて次期戦闘機の共同開発を決めたほか、岸田文雄首相は今月、スナク英首相と会談し、防衛新協定を締結した。中国やロシアへの対抗心から、保守系論客を中心に「日英同盟の復活」と歓迎する声も聞こえる。だが、100年前にあった日英同盟は、良い面ばかりの美しき絆だっただろうか。(大杉はるか、中沢佳子)

◆安倍政権から続く安全保障協力

「日英同盟を締結した1902年以来、最も重要な防衛協定」。11日、ロンドンでの日英首脳会談に際し、英首相官邸は報道発表でこうアピールした。
その協定は、自衛隊と英軍の共同訓練推進に向け、会談で締結された「円滑化協定(RAA)」だ。両首脳は日英の緊密な協力関係を強調。次期戦闘機の共同開発についても確認した。

RAA(特殊慰安施設協会)


RAAは、日英の部隊が共同訓練などで相手国を訪問した際の法的地位などを定めた協定。出入国時のビザ申請要件免除や派遣国の運転免許証の有効化、活動時の武器弾薬の所持許可などを盛り込んでいる。

外務省の担当者は「あらかじめ手続きを調整することで安保協力を活発化できる」と意義を語る。

日英間の安保協力は、安倍晋三政権下から進んでいた。2013年、日英での武器の共同開発や技術移転、秘密保護の協定に署名。17年には物品役務相互提供協定を締結し、共同宣言でインド太平洋地域での協力強化も打ち出した。

RAA締結を受け、保守系ジャーナリストが「盛り気味に言えば、日英同盟復活」など歓迎のツイート。他にもSNSでは「中国やロシアなど近隣が危険な国だらけの日本には心強い」など礼賛の声が見られる。



英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)の秋元千明日本特別代表は「RAA締結で日英の安保協力の法的基盤が完成した」と言い表す。

◆中国への警戒心、EU離脱も背景に

背景として、ロシアや中国の覇権主義的な動きと米国の存在感の低下に触れる。「米国だけで中ロ両国に対応できなくなった。補完役を果たすのが日英。米国を加えた三国同盟が目指されている」とみる。

また英国側の視点として、返還後の香港での民主化運動の弾圧などを通じ「中国への警戒心が高まった」と指摘。「ブレグジット(EU離脱)で欧州から解放され、インド太平洋への関与を強めている」と話す。

今後、空自戦闘機の英国派遣など、関わりが深まると予測しつつも、単純な「日英同盟の復活」という見方には異を唱える。「一緒に戦争する攻守同盟が復活するわけではない。相手を縛らない緩やかな協力だ」

明治学院大の池本大輔教授(英国政治)は「英国は環太平洋連携協定(TPP)への加盟申請をしており、EU離脱を埋め合わせるためにアジア太平洋地域での経済的関係を求めている」と、日本に接近する事情を説明。英政府はRAAの重要性を宣伝するが、「英国にとって安保面で重要なのは欧州。どこまでリソースをアジア太平洋地域に振り分けられるのか、英国内でも疑問視されている」と明かす。

一方、日本側の事情としては、ウクライナ侵攻後のロシアへの警戒感の強まりを挙げる。「ロシアが中国への依存を高めれば望ましい事態ではないので、欧州にも関心を持ってもらいたい思いがある」

ただし、対中国については温度差がある。「日米に比べれば、英国は中国への対抗意識は弱く、反中を特段強調したくはないようだ」と分析する。



すでに日英は事実上の同盟関係にある…イギリスが「積極的に日本に接近」する理由
8/3(日) 20:10配信

ニューズウィーク日本版

日英間で次世代型防衛能力が蓄積されつつあると、英空軍大佐が指摘。現代版「日英同盟」のメリットと、両国が共に気をつかわなければならない相手とは

Takashi Aoyama/Pool via REUTERS

[ロンドン発]「英国はすでに日本と軍事同盟を結んでいるのか」という論考(7月31日付)が英シンクタンク「王立防衛安全保障研究所」(RUSI)のサイトに掲載された。執筆者は英空軍の戦略家兼兵站担当者スチュアート・グレゴリー大佐である。



グレゴリー大佐は個人的見解と断りつつ「英国が積極的に日本に接近する中で次世代型防衛能力が蓄積されつつある。これが安全保障に関する米国の主導権に対抗しうるものと見なされる恐れがある」と指摘する。日英にとって米国は最大の同盟国。怒らせるわけにはいかない。

今年3月、貿易・経済安全保障と外交について対話を促進する「日英経済版2+2」閣僚会合の初会合が東京で開催された。日本側から岩屋毅外相と武藤容治経済産業相、英国からデービッド・ラミー外相とジョナサン・レイノルズ・ビジネス・通商相が出席した。

■進む日・英・伊の第6世代戦闘機プログラム

英国もインド太平洋を経済と安全保障にとって極めて重要な地域とみなし、日英関係を「強化されたグローバル戦略的パートナーシップ」と再定義する。「ますます世界は不安定化している。道を切り開くために日英協力を強化しなければならない。日英対話は重要」(ラミー外相)

日英経済版2+2閣僚会合では、次世代量子コンピューティング開発におけるサプライチェーンと協力の促進、軍事目的に使用され得る物質や技術・研究の輸出管理の強化、洋上風力発電や先進ロボット技術、自律システム分野で協力することを確認した。

日本・英国・イタリアの3カ国は第6世代戦闘機プログラム(GCAP)を進めており、2035年以降の本格生産・配備開始を目指す。ステルス戦闘機F-22など厳しい米国の輸出制限を受け、西側諸国は対米依存の低減と自国の防衛産業基盤の強化が急務になっている。



■日英同盟は外交的抑止に重点


帝国列強の時代、ロシアの南下を警戒する大英帝国とロシアの満州・朝鮮進出を抑えたい大日本帝国は利害が一致。1902年に日英同盟を結んだ。05年と11年に改定されたものの、米国の強い圧力で米国・英国・日本・フランスの四カ国条約が結ばれ、23年日英同盟は失効した。

日英同盟は相互防衛条項を持たず、外交的な抑止に重点が置かれた。現在の日英防衛・経済協力は果たして軍事同盟なのか。グレゴリー大佐は「敵対国や同盟国が日英の一連の合意や準同盟的な枠組みを見て『かなり深く結びついた関係』があると受け取る可能性がある」と指摘する。

包括的サイバーパートナーシップとGCAPは義務を伴う。台湾侵攻に先立つ中国人民解放軍の作戦シナリオには日本の軍事施設や米軍基地の破壊が含まれる。「英国は日本と同盟関係にあることの意味を再認識し、日本に対する防衛義務を明確にする必要がある」(グレゴリー大佐)

■米国との信頼関係を損なわないよう慎重な調整が必要

アフガニスタン撤退やウクライナ戦争、「米国第一主義」のドナルド・トランプ米大統領再登場を受け、日本や英国は「米国主導の安全保障が必ずしも確実とは限らない」との疑念を深め、独自の抑止力構築を模索している。

宇宙、電子戦、自律型兵器、人工知能(AI)領域において日英は補完関係にあり、ハードパワー不足を補えるが、米中の注意を引くのは否めない。北大西洋条約機構(NATO)のような集団防衛メカニズムが存在しないアジア太平洋における2国間同盟はほぼすべて米国を含んでいる。

グレゴリー大佐は「日英間に形式的な条約はまだ存在しないが、実質的には同盟に近い関係と言える。今後の方向性としては『日英条約型同盟』が現実的に検討され得るが、その際には米国との信頼関係を損なわないよう米国を含めた慎重な調整が必要」と結論付けている。
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