2025.10.13
ノーベル賞世界2位
20世紀以降の日本人ノーベル賞受賞者は、アメリカに次ぎ世界第2位。
2025年ノーベル賞は日本人が生理学・医学賞と化学賞で計2人受賞という快挙を遂げましたが、今年の受賞前の記事をご紹介します。
自然科学分野のノーベル賞は、従来は基礎研究分野を対象としてきまが、2024年は人工知能(AI)関連の研究者に贈られることのなった。創設から1世紀以上を経て賞の対象が変わってきた。
日本関連の受賞者数(2024年時点)

日本人のノーベル賞受賞者では、ノーベル賞を受賞した日本人と日本の団体の一覧を掲載する。なお、受賞対象となった研究成果を上げた時には日本国籍を有していたものの受賞時点で日本国籍のない受賞者や、受賞を逃した人物、日本にゆかりのある受賞者等も併せて掲載。
湯川秀樹(1949年日本初ノーベル賞)

概要
第二次世界大戦終戦後、未だ戦後占領期にあった1949年11月3日(文化の日)、日本人として初めて湯川秀樹が授賞した。広島原爆投下および長崎原爆投下からわずか4年余りしか経ってないにもかかわらず、原子力爆弾の基本理論に近しい素粒子理論である「中間子理論」を授賞理由とした湯川は敗戦直後の日本国民に受け入れられ、国民に大いに自信を与えたという。
1901年から始まり2024年に至るノーベル賞の歴史の中で、日本は非欧米諸国の中で最も多い29名と1団体の受賞者を輩出しており、このうち4名が受賞時点で外国籍を取得していた。21世紀に入ってからでは、自然科学部門の国別で日本は米国に続く世界第2位のノーベル賞受賞者数となっている。ただし、ノーベル経済学賞を受賞した日本人はおらず、また女性や複数回にわたってノーベル賞を受賞した日本人・団体もいない。
朝永振一郎(1965年ノーベル物理学賞)

受賞者の多くが大学教授などの研究者である中、1973年に民間企業 (IBM) の技術者であった江崎玲於奈が物理学賞を受賞。2002年に民間企業(島津製作所)の技術者であった田中耕一が化学賞を受賞。2014年に青色LEDの開発で赤﨑勇、天野浩と共に物理学賞を受賞した中村修二も、民間企業(日亜化学工業)在籍時の高輝度青色LEDの発明・実用化が理由となった。2019年には民間企業(旭化成)に在籍している吉野彰がリチウムイオンバッテリーの開発で化学賞を受賞した。
2024年には日本原水爆被害者団体協議会が団体としては初めて平和賞を受賞した。
川端康成(1968年ノーベル文学賞)

ノーベル賞国別ランキング・トップ10
第1位:アメリカ(388人)
第2位:イギリス(133人)
第3位:ドイツ(109人)
第4位:フランス(70人)
第5位:スウェーデン(32人)
第6位:ロシア/旧ソ連(31人)
第7位:日本(28人)
第8位:スイス(27人)
第8位:カナダ(27人)
第10位:オーストリア(22人)
ノーベル賞自然科学分野国別ランキング・トップ10
第1位:アメリカ(277人・医学109・化学74・物理学94)
第2位:イギリス(85人・医学32・化学30・物理学23)
第3位:ドイツ(73人・医学16・化学31・物理学26)
第4位:フランス(38人・医学10・化学11・物理学17)
第5位:日本(25人・医学5・化学8・物理学12)
第6位:スイス(18人・医学6・化学7・物理学5)
第6位:スウェーデン(18人・医学9・化学5・物理学4)
第8位:オランダ(15人・医学2・化学4・物理学9)
第8位:ロシア/旧ソ連(15人・医学2・化学2・物理学11)
第10位:カナダ(12人・医学2・化学4・物理学6)
科学分野で世界5位というノーベル賞受賞国日本ですが、その基盤となる研究分野、論文数などはどうなんでしょうか。文部科学省のサイトです。

第1章 我が国の研究力の現状と課題
近年、我が国の研究力の低下が指摘されています。今世紀における我が国の自然科学系ノーベル賞受賞者数は米国に次ぐ世界第2位ですが、この受賞者数が、必ずしも現在の我が国の研究力を示しているわけではありません。研究力を測る主要な指標である論文指標については、2000年代前半より、国際的な地位の低下が続いている状況です。定量的な指標のみをもって研究力を判断することはできませんが、このような状況は深刻に受け止めるべきです。
本章では、論文数や注目度の高い論文数、論文生産に影響を及ぼす大学等の研究者数、研究者の研究時間割合、研究開発費等の各種データの推移について、主要国と比較し、我が国の研究力の現状と課題を分析します。
我が国のノーベル賞受賞状況
2021年(令和3年)10月5日、眞鍋淑郎博士(プリンストン大学客員研究員、国立研究開発法人海洋研究開発機構フェロー)が、クラウス・ハッセルマン博士、ジョルジョ・パリーシ博士とともに、ノーベル物理学賞に選ばれました。我が国のノーベル賞受賞者は、眞鍋博士で28人目、物理学賞では12人目となります。
ノーベル賞はアルフレッド・ノーベルの遺言に基づき創設された国際的な賞です。第1-1-1表のとおり、我が国では湯川秀樹博士が1949年(昭和24年)に物理学賞を受賞して以降、自然科学系(生理学・医学賞、物理学賞及び化学賞)では計25名が本賞を受賞しました。今世紀では米国に次いで世界第2位(19人)であり、大きな存在感を示しています。
第1節 論文指標
近年、研究力を測る主要な指標である論文指標について、国際的な地位の低下が続いています。文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査によると、2000年代前半以降の日本の大学の論文数の停滞要因として、教員の研究時間割合の低下、教員数の伸び悩み、博士課程在籍者数の停滞、原材料費のような直接的に研究の実施に関わる費用の停滞といった要因が挙げられます。なお、科学技術立国の実現に向けた最新の取組については第3章及び第4章で紹介しています。
1 論文指標の世界ランク
第1-1-3図は、主要国の自然科学系における論文数と注目度の高い(他の論文からの被引用数の高い)論文数(Top10%補正論文数)の世界ランクです。
・論文数における日本の順位は、20年前(1997-1999年の平均)は第2位でしたが、直近(2017-2019年の平均)は第4位であり、2000年代前半から低下しています。
・Top10%補正論文数における日本の順位は、20年前は第4位でしたが、直近は第10位です。

第1-1-4表は、直近の集計における論文数、Top10%補正論文数の上位10か国です。
・論文数は、中国、米国、ドイツ、日本の順です。
・Top10%補正論文数は、直近の集計でインドに抜かれ、10位に順位を落としています。
第1-1-4表 国別論文数

Keyword 整数カウント法、分数カウント法とは?
整数カウント法、分数カウント法は論文のカウント方法である。整数カウント法は、国単位での関与の有無の集計であり、例えば日本のA大学、日本のB大学、米国のC大学の共著論文の場合、日本1件、米国1件と集計することで、「世界の論文の生産への関与度(論文を生み出すプロセスにどれだけ貢献したか)」の把握に用いられる。一方で、分数カウント法は、機関レベルでの重みづけを用いた国単位での集計であり、例えば日本のA大学、日本のB大学、米国のC大学の共著論文の場合、日本2/3件、米国1/3件と集計することで、「世界の論文の生産への貢献度(論文1件に対しどれだけ貢献をしたか)」の把握に用いられる。
Top10%補正論文数の上位10か国

2 論文数とTop10%補正論文数の推移
第1-1-5図は、論文数及びTop10%補正論文数の推移です(論文数に占めるTop10%補正論文数の割合(Q値)については第1-1-36図参照)。
・日本の論文数は、一時的な増加を除いて2005年から2015年にかけて減少し、それ以降は微増しています。
・日本のTop10%補正論文数は一貫して減少傾向です。

3 組織別の論文数の推移
第1-1-6図は、論文数の推移を組織別に見たものです。
・国立大学は、2000年代半ばから減少傾向で、2016年からは微増に転じています。
・私立大学は、一貫して増加傾向です。
・国立研究開発法人等は、2000年代半ばから微減傾向です。
・企業は、バブル経済崩壊から5年後の1996年から減少傾向です。
以上のように、私立大学は一貫して増加する一方、企業は1990年代半ばから、国立大学、国立研究開発法人等は2000年代半ばから減少してきたことが分かります。国立大学については2016年から微増に転じています。

4 部門別・大学グループ別の論文数及びTop10%補正論文数の推移
第1-1-7図は、論文数とTop10%補正論文数について、部門別に分けたものです。
第1-1-7図

・日本の論文の7割以上は大学等部門が生産しています。
・大学について、論文数シェアでグループを分け、2000年と2018年を比較すると、論文数については第1G(トップ4大学)と第3G(地方国立大学中心)が減少しています。Top10%補正論文数については、どのグループも減少していますが、特に、第1Gと第3Gの減少幅が大きくなっています。

5 論文数の要因分析
第1-1-8図は、文部科学省科学技術・学術政策研究所において、日本の大学を対象として1980年代からの論文数、研究者数、研究開発費の長期マクロデータを整備し、論文数の増減についての要因分析を行ったものです。分析結果からは、論文数の増減について、次のような傾向が見えています。
・1980年代後半~1990年代の主な増加要因は、博士課程在籍者数や教員数の増加
・2000年代半ば~2010年の主な減少要因は、教員の研究時間割合の低下と教員数の伸び悩み
・2010年代の主な減少要因は、博士課程在籍者数や原材料費のような直接的に研究の実施に関わる費用の停滞
以上のように、論文数の増減には複合的な要因が影響しますが、近年の減少要因としては、教員の研究時間割合の低下(第2節1参照)、教員数の伸び悩み(第3節2参照)、博士課程在籍者数(第3節5参照)や原材料費のような直接的に研究の実施に関わる費用の停滞(研究開発費の総額について第4節4参照)といった要因が挙げられます。

6 日英独の大学の論文数比較
第1-1-9図は、大学が産出する論文数についてのドイツ、英国と日本との比較です。3か国の比較から、次のような傾向が見えています。
・日本の上位大学は、ドイツより論文数が多く、英国と同程度です。
・日本の上位に続く層の大学は、ドイツと英国より、論文数が少ないです。
・日本は論文数規模の小さい大学が多いです。
以上のように、我が国は、ドイツ・英国と比べ、上位に続く層の大学の論文数が少ないことと、論文数規模の小さい大学の数が多いことが分かります。
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2025年ノーベル賞は日本人が生理学・医学賞と化学賞で計2人受賞という快挙を遂げましたが、今年の受賞前の記事をご紹介します。
自然科学分野のノーベル賞は、従来は基礎研究分野を対象としてきまが、2024年は人工知能(AI)関連の研究者に贈られることのなった。創設から1世紀以上を経て賞の対象が変わってきた。
日本関連の受賞者数(2024年時点)

日本人のノーベル賞受賞者では、ノーベル賞を受賞した日本人と日本の団体の一覧を掲載する。なお、受賞対象となった研究成果を上げた時には日本国籍を有していたものの受賞時点で日本国籍のない受賞者や、受賞を逃した人物、日本にゆかりのある受賞者等も併せて掲載。
湯川秀樹(1949年日本初ノーベル賞)

概要
第二次世界大戦終戦後、未だ戦後占領期にあった1949年11月3日(文化の日)、日本人として初めて湯川秀樹が授賞した。広島原爆投下および長崎原爆投下からわずか4年余りしか経ってないにもかかわらず、原子力爆弾の基本理論に近しい素粒子理論である「中間子理論」を授賞理由とした湯川は敗戦直後の日本国民に受け入れられ、国民に大いに自信を与えたという。
1901年から始まり2024年に至るノーベル賞の歴史の中で、日本は非欧米諸国の中で最も多い29名と1団体の受賞者を輩出しており、このうち4名が受賞時点で外国籍を取得していた。21世紀に入ってからでは、自然科学部門の国別で日本は米国に続く世界第2位のノーベル賞受賞者数となっている。ただし、ノーベル経済学賞を受賞した日本人はおらず、また女性や複数回にわたってノーベル賞を受賞した日本人・団体もいない。
朝永振一郎(1965年ノーベル物理学賞)

受賞者の多くが大学教授などの研究者である中、1973年に民間企業 (IBM) の技術者であった江崎玲於奈が物理学賞を受賞。2002年に民間企業(島津製作所)の技術者であった田中耕一が化学賞を受賞。2014年に青色LEDの開発で赤﨑勇、天野浩と共に物理学賞を受賞した中村修二も、民間企業(日亜化学工業)在籍時の高輝度青色LEDの発明・実用化が理由となった。2019年には民間企業(旭化成)に在籍している吉野彰がリチウムイオンバッテリーの開発で化学賞を受賞した。
2024年には日本原水爆被害者団体協議会が団体としては初めて平和賞を受賞した。
川端康成(1968年ノーベル文学賞)

ノーベル賞国別ランキング・トップ10
第1位:アメリカ(388人)
第2位:イギリス(133人)
第3位:ドイツ(109人)
第4位:フランス(70人)
第5位:スウェーデン(32人)
第6位:ロシア/旧ソ連(31人)
第7位:日本(28人)
第8位:スイス(27人)
第8位:カナダ(27人)
第10位:オーストリア(22人)
ノーベル賞自然科学分野国別ランキング・トップ10
第1位:アメリカ(277人・医学109・化学74・物理学94)
第2位:イギリス(85人・医学32・化学30・物理学23)
第3位:ドイツ(73人・医学16・化学31・物理学26)
第4位:フランス(38人・医学10・化学11・物理学17)
第5位:日本(25人・医学5・化学8・物理学12)
第6位:スイス(18人・医学6・化学7・物理学5)
第6位:スウェーデン(18人・医学9・化学5・物理学4)
第8位:オランダ(15人・医学2・化学4・物理学9)
第8位:ロシア/旧ソ連(15人・医学2・化学2・物理学11)
第10位:カナダ(12人・医学2・化学4・物理学6)
科学分野で世界5位というノーベル賞受賞国日本ですが、その基盤となる研究分野、論文数などはどうなんでしょうか。文部科学省のサイトです。

第1章 我が国の研究力の現状と課題
近年、我が国の研究力の低下が指摘されています。今世紀における我が国の自然科学系ノーベル賞受賞者数は米国に次ぐ世界第2位ですが、この受賞者数が、必ずしも現在の我が国の研究力を示しているわけではありません。研究力を測る主要な指標である論文指標については、2000年代前半より、国際的な地位の低下が続いている状況です。定量的な指標のみをもって研究力を判断することはできませんが、このような状況は深刻に受け止めるべきです。
本章では、論文数や注目度の高い論文数、論文生産に影響を及ぼす大学等の研究者数、研究者の研究時間割合、研究開発費等の各種データの推移について、主要国と比較し、我が国の研究力の現状と課題を分析します。
我が国のノーベル賞受賞状況
2021年(令和3年)10月5日、眞鍋淑郎博士(プリンストン大学客員研究員、国立研究開発法人海洋研究開発機構フェロー)が、クラウス・ハッセルマン博士、ジョルジョ・パリーシ博士とともに、ノーベル物理学賞に選ばれました。我が国のノーベル賞受賞者は、眞鍋博士で28人目、物理学賞では12人目となります。
ノーベル賞はアルフレッド・ノーベルの遺言に基づき創設された国際的な賞です。第1-1-1表のとおり、我が国では湯川秀樹博士が1949年(昭和24年)に物理学賞を受賞して以降、自然科学系(生理学・医学賞、物理学賞及び化学賞)では計25名が本賞を受賞しました。今世紀では米国に次いで世界第2位(19人)であり、大きな存在感を示しています。
第1節 論文指標
近年、研究力を測る主要な指標である論文指標について、国際的な地位の低下が続いています。文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査によると、2000年代前半以降の日本の大学の論文数の停滞要因として、教員の研究時間割合の低下、教員数の伸び悩み、博士課程在籍者数の停滞、原材料費のような直接的に研究の実施に関わる費用の停滞といった要因が挙げられます。なお、科学技術立国の実現に向けた最新の取組については第3章及び第4章で紹介しています。
1 論文指標の世界ランク
第1-1-3図は、主要国の自然科学系における論文数と注目度の高い(他の論文からの被引用数の高い)論文数(Top10%補正論文数)の世界ランクです。
・論文数における日本の順位は、20年前(1997-1999年の平均)は第2位でしたが、直近(2017-2019年の平均)は第4位であり、2000年代前半から低下しています。
・Top10%補正論文数における日本の順位は、20年前は第4位でしたが、直近は第10位です。

第1-1-4表は、直近の集計における論文数、Top10%補正論文数の上位10か国です。
・論文数は、中国、米国、ドイツ、日本の順です。
・Top10%補正論文数は、直近の集計でインドに抜かれ、10位に順位を落としています。
第1-1-4表 国別論文数

Keyword 整数カウント法、分数カウント法とは?
整数カウント法、分数カウント法は論文のカウント方法である。整数カウント法は、国単位での関与の有無の集計であり、例えば日本のA大学、日本のB大学、米国のC大学の共著論文の場合、日本1件、米国1件と集計することで、「世界の論文の生産への関与度(論文を生み出すプロセスにどれだけ貢献したか)」の把握に用いられる。一方で、分数カウント法は、機関レベルでの重みづけを用いた国単位での集計であり、例えば日本のA大学、日本のB大学、米国のC大学の共著論文の場合、日本2/3件、米国1/3件と集計することで、「世界の論文の生産への貢献度(論文1件に対しどれだけ貢献をしたか)」の把握に用いられる。
Top10%補正論文数の上位10か国

2 論文数とTop10%補正論文数の推移
第1-1-5図は、論文数及びTop10%補正論文数の推移です(論文数に占めるTop10%補正論文数の割合(Q値)については第1-1-36図参照)。
・日本の論文数は、一時的な増加を除いて2005年から2015年にかけて減少し、それ以降は微増しています。
・日本のTop10%補正論文数は一貫して減少傾向です。

3 組織別の論文数の推移
第1-1-6図は、論文数の推移を組織別に見たものです。
・国立大学は、2000年代半ばから減少傾向で、2016年からは微増に転じています。
・私立大学は、一貫して増加傾向です。
・国立研究開発法人等は、2000年代半ばから微減傾向です。
・企業は、バブル経済崩壊から5年後の1996年から減少傾向です。
以上のように、私立大学は一貫して増加する一方、企業は1990年代半ばから、国立大学、国立研究開発法人等は2000年代半ばから減少してきたことが分かります。国立大学については2016年から微増に転じています。

4 部門別・大学グループ別の論文数及びTop10%補正論文数の推移
第1-1-7図は、論文数とTop10%補正論文数について、部門別に分けたものです。
第1-1-7図

・日本の論文の7割以上は大学等部門が生産しています。
・大学について、論文数シェアでグループを分け、2000年と2018年を比較すると、論文数については第1G(トップ4大学)と第3G(地方国立大学中心)が減少しています。Top10%補正論文数については、どのグループも減少していますが、特に、第1Gと第3Gの減少幅が大きくなっています。

5 論文数の要因分析
第1-1-8図は、文部科学省科学技術・学術政策研究所において、日本の大学を対象として1980年代からの論文数、研究者数、研究開発費の長期マクロデータを整備し、論文数の増減についての要因分析を行ったものです。分析結果からは、論文数の増減について、次のような傾向が見えています。
・1980年代後半~1990年代の主な増加要因は、博士課程在籍者数や教員数の増加
・2000年代半ば~2010年の主な減少要因は、教員の研究時間割合の低下と教員数の伸び悩み
・2010年代の主な減少要因は、博士課程在籍者数や原材料費のような直接的に研究の実施に関わる費用の停滞
以上のように、論文数の増減には複合的な要因が影響しますが、近年の減少要因としては、教員の研究時間割合の低下(第2節1参照)、教員数の伸び悩み(第3節2参照)、博士課程在籍者数(第3節5参照)や原材料費のような直接的に研究の実施に関わる費用の停滞(研究開発費の総額について第4節4参照)といった要因が挙げられます。

6 日英独の大学の論文数比較
第1-1-9図は、大学が産出する論文数についてのドイツ、英国と日本との比較です。3か国の比較から、次のような傾向が見えています。
・日本の上位大学は、ドイツより論文数が多く、英国と同程度です。
・日本の上位に続く層の大学は、ドイツと英国より、論文数が少ないです。
・日本は論文数規模の小さい大学が多いです。
以上のように、我が国は、ドイツ・英国と比べ、上位に続く層の大学の論文数が少ないことと、論文数規模の小さい大学の数が多いことが分かります。

