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成功者の法則

「心が熱くなる365人の仕事の教科書」(到知出版社)から一話ご紹介します。
今回は、渡部昇一、上智大学名誉教授による「幸田露伴が発見した成功者の法則」です。


幸田露伴が発見した成功者の法則

渡部昇一
上智大学名誉教授


幸田露伴は人生における運を大切に考えています。運というと他に依存した安易で卑俗な態度のように思われがちです。だが、露伴の言う運はそんなものではありません。その逆です。

露伴は人生における成功者と失敗者を観察し、一つの法則を発見します。露伴は言います。
「大きな成功を遂げた人は、失敗を人のせいにするのではなく自分のせいにする傾向が強い」
物事が上手くいかなかったり失敗してしまった時、人のせいにすれば自分は楽です。あいつがこうしなかったから上手くいかなかったのだ―あれがこうなっていなかったから失敗したのだ―物事をこのように捉えれていれば、自分が傷つくことはありません。悪いの他であって自分ではないのだから、気楽なものです。
だが、こういう態度では、物事はそこで終わってしまって、そこから得たり学んだりするものは何もありません。

幸田露伴


失敗や不運の因を自分に引き寄せて捉える人は辛い思いをするし、苦しみもします。しかし同時に、「あれはああではなく、こうすればよかった」という反省の思慮を持つことにもなります。それが進歩であり前進であり向上というものです。
失敗や不運を自分に引き寄せて考える事を続けた人間と、他のせいにして済ますことを繰り返してきた人間とでは、かなりの確率で運のよさがだんだん違ってくる、ということです。

露伴はこのことを、運命を引き寄せる二本の紐に譬えて述べています。
一本はザラザラゴツゴツした針金のような紐で、それを引くと掌は切れ、指は傷つき、血が滲みます。それでも引き続けると、大きな運がやってきます。だが、手触りが絹のように心地いい紐を引っ張っていると、引き寄せられてくるのは不運であるというわけです。
港運不運は気まぐれや偶然のものではありません。自分のあり方で引き寄せるものなのです。
「失敗したら必ず自分のせいにせよ」
露伴の鋭くシンプルなこのひと言は、人生を後悔しないための何よりの要訣です。
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