2024.12.13
デイサービス誕生会 続き
施設では誕生日にお一人ずつお祝いを贈っています。内容はその方のプロフィールを参考にしたA4サイズの色紙とプレゼントです。祝い年の方には祝辞の額、長寿手拭、記念品をお渡しします。
お誕生日色紙
祝い年額
デイサービスでも手造りのお祝い品が渡されます。11月のデイの表彰式は寒いのに皆さん薄着で、宮沢賢治を思い出しました。宮沢賢治は、「雨にも負けず」以外にも、「銀河鉄道の夜」、「注文の多い料理店」、「セロ弾きのゴーシュ」、「風邪の又三郎」など名作が多いです。
その中でも有名な「銀河鉄道の夜」は、漫画「銀河鉄道999」の原作ですが、1924年初稿が執筆され、1933年賢治の死後に発刊されました。物語は気弱な少年ジョバンニと親友カムパネルラが銀河鉄道で天の川に沿って南十字へと向かう銀河の旅です。「本当のしあわせ」とは何かをテーマにした物語です。
「銀河鉄道の夜」発刊から10年後の1943年に執筆された新美南吉「手ぶくろを買いに」という童話があります。この童話も作者没後に発行され、1945年から2011年まで小学校3年生の国語の教科書に採用されていました。
「手ぶくろを買いに」のあらすじです。
雪の朝、子狐の冷え切った手に母狐は手袋を買ってやろうと思います。子狐の片手を人間の子供に変え、街に手袋を買いに行かせます。帽子屋さんで間違えて、狐の手を出して「手袋をください」と言ってしまいます。帽子屋さんは狐と分かったのですが、手袋を売ってくれました。帰った子狐は母狐に「間違った手を出したけど、人間は手袋を渡してくれた」ことを話しました。母狐はあきれながら「本当は人間はいいものかもしれない」とつぶやきました。
多くの童話では、狐は人間を化かす悪い動物だという設定ですが、狐からすれば人間は自分達を殺して毛皮にする悪い動物なのかもしれません。この「手ぶくろを買いに」は、「人間はどのように生きるべきか」という指針や知恵がたくさん詰まっています。人生に役立つヒントがあるのでは?子供だけではなく大人にもお勧めな童話です。