2025.3.18
どうなるウクライナ 2
アルバート・アインシュタイン(1879~1955)は平和への名言を遺しています。
「第三次世界大戦はどのような兵器が使われるかは分かりませんが、第四次世界大戦はこん棒と石で戦われるでしょう」
第三次世界大戦が起きれば、そこで文明は消滅するという予測です。今年第二次世界大戦が終わって80年を迎えますが、ロシア対ウクライナ、イスラエル対ハマスなど紛争は続いており、第三次世界大戦の火種は消えていません。
死の手

米ソ冷戦時代にソビエト連邦が使用していた「相互確認破壊」別名「死の手(システマ・ベリメートル)」というシステムがあります。クレムリンが核攻撃を受けた場合、核爆発による地震や閃光、放射能、圧力センサーでこれを感知し、指揮系統が完全に破壊されていても、自動的に大陸間弾道弾(ICBM)の発射が開始されるというもの。
「死の手」システムは、ロシア国内に配備されている約1600の核ミサイルを、事前にプログラムされた相手国に一斉に打ち込むよう設定されています。米国が10発の核爆弾で壊滅するといわれていますので、その被害は地球を数十回滅ぼすだけの威力があります。マッハ5を超える極超音速で飛行する超音速滑空兵器(HGV)「アバンガルド」が日本を狙った場合、探知から着弾迄3分程度と言われています。迎撃は防衛白書に記載があります。衛星を使った宇宙技術活用、滑空段階での対処や迎撃能力を高めるとしています。ジェイアラートが出ても避難は結構厳しいと思われます。
「令和5年防衛白書 統合防空ミサイル防衛(HRV等対処)」
NATOの軍事力増強を強調

トランプ大統領のNATO離れを受けて、2025年3月5日、マクロン大統領は国民に向けたテレビ演説を行い、ウクライナ支援の継続とフランスおよび欧州の安全保障について説明した。
その内容は、ウクライナはロシアの要求に屈する形で平和が達成されるべきではない。NATOは軍備増強し、欧州軍を派遣する可能性を示唆した。近日中に欧州軍に参加を希望する国の参謀総長がパリに集まり、議論する予定。またマクロン大統領は、核の傘を欧州全土に拡大する考えも示した。
3度目の冬を迎えたウクライナ侵攻

2022年2月、ロシアはウクライナ侵攻を開始。その影響により世界的なインフレ率上昇、金利上昇、株式市場の急落などが発生しました。当初、早期決着が予想されましたが、軍事作戦は想定以上に長期化。今後、侵攻長期化は先進国対新興国の「新冷戦」を生み、欧米や日本などの先進国と中国、ロシア、インドなどの新興国との対立が激化する恐れがあります。
なぜ、ロシアはウクライナ侵攻に踏み切ったか。これには深い歴史的な背景があります。
なぜロシアはウクライナ侵攻をしたのか

「やった方は忘れるが、やられた方は覚えている」という言葉があります。日本、米国、英国、ドイツ、フランスの共通点は何か。それは、いずれも「ロシアは他国を侵略、占領し、多くの犠牲を出した」ということです。しかし、同時にこれらの国の共通点は「ロシアを侵略、占領し、多くのロシア人が犠牲になった」という事実です。
歴史的に、欧米列強はロシアを何度も侵略し、多くのロシア人が犠牲となりました。ナポレオン戦争、対ソ干渉戦争、第二次世界大戦などがその例です。2度の世界大戦で、ロシアの死者数は世界最多。
ロシアは実は、大国から攻め続けられた歴史があります。主要都市を守る自然の要塞が無く、国土が広大である為周辺国を衛星国として支配し、自国の安全保障を図る戦略をとってきました。
ナポレオン、ヒトラーだけでなく、日本も1918年から4年間、ウラジオストックからイルクーツクまで占領した。ロシアは外国から侵略されてきた歴史は忘れていません。
モスクワとキーフ(ウクライナ首都)との距離は約740キロで、モスクワから国境までは約450キロ。ロシアとしては、ウクライナがNATOに加盟し、欧米の核の傘に入ることは容認できない。そのためウクライナ侵攻は容易に終結できないと考えられます。
悪化するガザ地区状況

2025年3月9日、パレスチナ・ガザ地区への電力供給についてイスラエルは全面停止を指示した。イスラム組織ハマスに圧力をかけ、イスラエルの人質を解放させるためとしている。イスラエルは1週間前に、ガザ地区への支援物資搬入をすべて止めた。ハマスはガザ地区には200万人以上が住み、支援物資が供給されなければ人質への影響を避けられないと警告。
イスラエルとイランの対立

イスラエルのガザ戦争の目的は、ハマス壊滅と拉致されて人質の奪還にあると宣伝されてきました。しかしそれは、戦術的な目標で、最終的な戦略目的はハマスやヒズボラへの抑止ではなくその背後に控える策源国、イラン対する抑止と考えられます。問題になるのはイランが核兵器開発をしている点です。イランが核武装すると、イスラエルとの戦いは核保有国同士の戦いであり、核戦争、すなわち世界の崩壊へと繋がる可能性があります。
いま欧州軍対ロシア、イスラエル対イランという二つの第三時世界大戦を暗示するできごとが進行している点に注目すべきです。
一覧に戻る
「第三次世界大戦はどのような兵器が使われるかは分かりませんが、第四次世界大戦はこん棒と石で戦われるでしょう」
第三次世界大戦が起きれば、そこで文明は消滅するという予測です。今年第二次世界大戦が終わって80年を迎えますが、ロシア対ウクライナ、イスラエル対ハマスなど紛争は続いており、第三次世界大戦の火種は消えていません。
死の手

米ソ冷戦時代にソビエト連邦が使用していた「相互確認破壊」別名「死の手(システマ・ベリメートル)」というシステムがあります。クレムリンが核攻撃を受けた場合、核爆発による地震や閃光、放射能、圧力センサーでこれを感知し、指揮系統が完全に破壊されていても、自動的に大陸間弾道弾(ICBM)の発射が開始されるというもの。
「死の手」システムは、ロシア国内に配備されている約1600の核ミサイルを、事前にプログラムされた相手国に一斉に打ち込むよう設定されています。米国が10発の核爆弾で壊滅するといわれていますので、その被害は地球を数十回滅ぼすだけの威力があります。マッハ5を超える極超音速で飛行する超音速滑空兵器(HGV)「アバンガルド」が日本を狙った場合、探知から着弾迄3分程度と言われています。迎撃は防衛白書に記載があります。衛星を使った宇宙技術活用、滑空段階での対処や迎撃能力を高めるとしています。ジェイアラートが出ても避難は結構厳しいと思われます。
「令和5年防衛白書 統合防空ミサイル防衛(HRV等対処)」
NATOの軍事力増強を強調

トランプ大統領のNATO離れを受けて、2025年3月5日、マクロン大統領は国民に向けたテレビ演説を行い、ウクライナ支援の継続とフランスおよび欧州の安全保障について説明した。
その内容は、ウクライナはロシアの要求に屈する形で平和が達成されるべきではない。NATOは軍備増強し、欧州軍を派遣する可能性を示唆した。近日中に欧州軍に参加を希望する国の参謀総長がパリに集まり、議論する予定。またマクロン大統領は、核の傘を欧州全土に拡大する考えも示した。
3度目の冬を迎えたウクライナ侵攻

2022年2月、ロシアはウクライナ侵攻を開始。その影響により世界的なインフレ率上昇、金利上昇、株式市場の急落などが発生しました。当初、早期決着が予想されましたが、軍事作戦は想定以上に長期化。今後、侵攻長期化は先進国対新興国の「新冷戦」を生み、欧米や日本などの先進国と中国、ロシア、インドなどの新興国との対立が激化する恐れがあります。
なぜ、ロシアはウクライナ侵攻に踏み切ったか。これには深い歴史的な背景があります。
なぜロシアはウクライナ侵攻をしたのか

「やった方は忘れるが、やられた方は覚えている」という言葉があります。日本、米国、英国、ドイツ、フランスの共通点は何か。それは、いずれも「ロシアは他国を侵略、占領し、多くの犠牲を出した」ということです。しかし、同時にこれらの国の共通点は「ロシアを侵略、占領し、多くのロシア人が犠牲になった」という事実です。
歴史的に、欧米列強はロシアを何度も侵略し、多くのロシア人が犠牲となりました。ナポレオン戦争、対ソ干渉戦争、第二次世界大戦などがその例です。2度の世界大戦で、ロシアの死者数は世界最多。
ロシアは実は、大国から攻め続けられた歴史があります。主要都市を守る自然の要塞が無く、国土が広大である為周辺国を衛星国として支配し、自国の安全保障を図る戦略をとってきました。
ナポレオン、ヒトラーだけでなく、日本も1918年から4年間、ウラジオストックからイルクーツクまで占領した。ロシアは外国から侵略されてきた歴史は忘れていません。
モスクワとキーフ(ウクライナ首都)との距離は約740キロで、モスクワから国境までは約450キロ。ロシアとしては、ウクライナがNATOに加盟し、欧米の核の傘に入ることは容認できない。そのためウクライナ侵攻は容易に終結できないと考えられます。
悪化するガザ地区状況

2025年3月9日、パレスチナ・ガザ地区への電力供給についてイスラエルは全面停止を指示した。イスラム組織ハマスに圧力をかけ、イスラエルの人質を解放させるためとしている。イスラエルは1週間前に、ガザ地区への支援物資搬入をすべて止めた。ハマスはガザ地区には200万人以上が住み、支援物資が供給されなければ人質への影響を避けられないと警告。
イスラエルとイランの対立

イスラエルのガザ戦争の目的は、ハマス壊滅と拉致されて人質の奪還にあると宣伝されてきました。しかしそれは、戦術的な目標で、最終的な戦略目的はハマスやヒズボラへの抑止ではなくその背後に控える策源国、イラン対する抑止と考えられます。問題になるのはイランが核兵器開発をしている点です。イランが核武装すると、イスラエルとの戦いは核保有国同士の戦いであり、核戦争、すなわち世界の崩壊へと繋がる可能性があります。
いま欧州軍対ロシア、イスラエル対イランという二つの第三時世界大戦を暗示するできごとが進行している点に注目すべきです。